部下に指示しても、行動に移さず困っている……
部下に何度指示しても、指示通り行動しない。参加の可否を確認するような簡単な提出物ですら、期限を守らない。
その一方で、勝手に自分ルールを設定し、組織のルールを変えてしまう。
このような部下に見覚えがあるあなたに、知っていただきたい1つのことあります。
まずは、こちらのチェックリストをご確認ください。
思い当たるものがいくつありましたか?
これらの項目は、多くのマネジャーが抱いている悩みや、マネジメントに対する誤解を記したものです。
チェックが多かったからといって、落胆しないでください。
チェックの数だけ、壁マネジメントで組織は成長できるので安心してください。
部下が動かない2つの理由
1.部下に「動かなくても良い環境」が与えられてる
1つは、上司が部下に動かなくてもいい環境を与えているケースです。
1週間の期限と決めて資料の提出を指示しているにも関わらず、なぜ「動かなくてもいい環境」と言えるの?
そう思いますよね。
ポイントは部下の過去の経験です。
恐らくこの文章を読まれているあなたも、あなたの指示を部下全員が守らない…という訳ではないはずです。 ある部下はいつも期限を守り、ある部下はいつも期限を守らないのではないでしょうか?
そして当然、期限を守らない部下には注意や催促をし、行動を改めるよう指導していることと思います。
でも「何度言っても変わらない」。
だからこそ多くのマネジャーが手を焼き、部下の性格に問題があるとあきらめてしまいます。
このようなケースにおいて、1つ断言できることがあります。
それは問題は、部下の性格ではないということ。
想像してみてください。
もしあなたが上司から、「1週間後までにこの資料を作成しておいて」と言われたとします。
ちょうど繁忙期だったあなたはなかなか資料に手をつける時間を取れません。
やらなければと思いつつ、後回し……。そして結局、手をつけることなく1週間経ってしまいました。
しかし、上司は「ちゃんとやっておいてね」の一言。
このような経験が、3回4回重なったらどう感じますか?
きっと「この上司からの指示は守らなくても、たいしたことない」と認識するのではないでしょうか?
つまり、「過去に同じような指示を出された際に、指示を守らなくても大丈夫だった」という体験が繰り返されることで部下は動かなくなるのです。
2.部下が「自分の判断基準で動いていい」と認識している
もう1つの理由は、あなたの指示に対し部下が「自分の判断基準で動いていい」と認識しているケースです。
あなたも部下も仕事中は複数のタスクを同時にかかえています。限られた時間でタスクをこなすため重要度や緊急度を考慮し、優先順位をつけ仕事を進めていきます。
しかし、人には「感情」があります。
「この仕事は面倒な作業があるから、明日に回そう」「今は細かい作業をしたい気分じゃないから」といった個人の感情で、仕事の優先順位を簡単に変えてしまいます。
いくら部下にタスクの優先順位を指示したところで、部下は上司の指示を優先しない可能性があります。そうすると、重要・緊急なことであったとしても部下は自分の都合を優先してしまうため、指示どおりに<動かなくなってしまうのです。
部下を「動かなく」するマネジャーの共通点
この2点に共通して言えることは、これまでの部下との関わり方が部下を「動かなく」したということです。
部下の性格に問題があるのではありません。実は上司の行動に問題があったのです。
動かない部下をもつマネジャーには1つの共通点があります。
それは指示だけで満足し、フォローがないということ。
しかし、部下が動かない理由でもお伝えした通り、「指示しても行動しなかった」という経験を部下が重ねることで、「指示されても、行動しなくて良い」と認識し、行動しないことが習慣化してしまいます。
「指示だけマネジャー」が動かない部下を生み出します
指示だけし、フォローがない状態が、部下を「動かなく」させています。次のページからは部下にあなたの指示を「やり切らせる」ためのルールやポイントをお伝えしていきます。