事例のポイント
- 世代交代を見据えて今のうちにテコ入れし、会社の将来の売上を作る。その為には次期リーダーを育てなければならない(安心して引退はできない)
- 「壁マネジメントの先には成果がある」と言い続けた
- 受講者は皆、自分と同じような境遇で同じ悩みを抱えていた。お互いに悩みを打ち明けながら、他社の受講者の方と進めていくことができた
壁マネジメントを導入する前、どのような問題が起こっていましたか?
なぜ壁マネジメントに取り組んでみようと思ったのですか?
髙安様:弊社は2010年に半年間、アタックスさんに来て頂き社内の営業マネジャー研修を実施しました。そこから6年ほど期間が経ち、改めてメソッドを伝える機会を設けたい。その後に新しくマネジャーになったメンバーにも共通認識を持ってほしい。そう思い、壁マネジャーを受講してもらおうと決めました。
中小企業は、大企業と比べて「人を育てる仕組み」が必ずしも整っていません。つまり、個人の意識やスキルによって、営業成績に差が出易い。実績を上げた人がいざマネジャーになった時、マネジメントとは何か?が明確に分かっているとは言い難いと思います。
米澤様:そうですね。「結果を出せる人だけ付いてこい」「背中を見て覚えろ」で育ってきた我々世代の場合、メンバーに対しマネジメントをおこなった機会は多くありませんでした。ですから、マネジメントのスキルアップをしたいという目的が一つありました。
そしてもう一つ、近年の弊社は、諸先輩方が築いて頂いた関係資産(取引先との良い関係)で比較的安定した業績を残すことができております。しかしながら、次世代を担う人材を十分に育成できているとは言い難い。自分達が次期リーダーを育てなければ、安心して引退できない(笑)。そんな危機感もありました。
壁マネジメントのメソッドを行ってみていかがでしたか?
コース初日、どのように感じましたか?
貞島様:以前研修を受けたこともあったので「やっぱりこう来たか」という感じでした。
とはいえ、気合いと根性論をウリにしているのではなく「シンプルで分かりやすい」メソッドは、昔からまったく変わっていません。そういった意味では想像通りの研修スタートでした。
取り組みを嫌がる部下の方などはいませんでしたか?
貞島様:私が「壁マネジャー」養成コースを受講したのは、東日本支店から大阪本社に戻ってきて半年が過ぎたタイミングでした。課員の抱えるお客様をはじめ、メンバーの性格もすべて把握できている状態ではありません。メンバーと信頼関係ができているとは言い難い状況で始めましたので、かなり苦労しました。
米澤様:メンバーに対し、私達マネジャーが指示を出す。メンバーは「やります」と返事をする。でも実際は行動しきれない。当たり前ですが、言いっぱなしではメンバーも動いてくれません。
それを防ぐために、壁マネジメントの主旨を何回も説明しました。
「壁になる」という言葉だけ聞くと、メンバーの意見を一切受け入れない。メンバーから出た意見をはねのけて、自分が指示したことをやらせる。そんな印象があります。でも、仮にそのように実行してもメンバーは行動しません。
この取り組みをおこなうことで引合いの数が増える。引合い数が増えることによって売上がアップする。だからまずはこの取り組みをやらなければならない……「壁マネジメントの先には成果がある」と言い続けました。それを繰り返し発信し続けた点は大変でしたね。
壁マネジメントを活用し、どのような効果がありましたか?
壁マネジャーを活用し、生まれた成果を教えてください。
貞島様:私達は「同行訪問による若手メンバーのスキルアップ」をテーマにしました。なぜなら、壁マネジャー研修前は、特に若手メンバーがどんな問題を抱えているのか?を私達が把握しきれていなかったからです。
受講させて頂いて、解消された課題がいくつかありました。例えば、訪問の目的を明確にすることで有効な面談数が増えました。
米澤様:「スキルチェックシート」を作成・活用しました。私達マネジャーをはじめベテラン社員からフィードバックをもらい、様々な視点で自身の営業スキルや状態が「見える化」できるような仕組みを作りました。自身に足りないスキル・もっと伸ばすべき能力が明確に分かるようになり、結果、キーマンとの面談件数が4倍近くまで増えました。
壁マネジメントを活用するコツやノウハウ、意識している点を教えてください。
壁マネジャーを導入して、一番良かった点を教えてください。
貞島様:これまでの営業スタイルは「明日何をしようかな」と、あくまでも日々の行動計画で考えていました。それが、「あのお客様に対してこうしよう」「あの商材を紹介すれば興味を持ってくれるかもしれない」という具体的なアイディアを、メンバーが自分で考えられるようになった点が非常に良かったです。
担当コンサルタントについての印象をお聞かせください。
米澤様:「このやり方でやれ!」そう言われていたら、私は多分実践できていませんでした。山北さんは、目線を合わせて現場の意見を汲んでくれました。だからこの人に付いて行こうと決断できたのだと思います。
迷っている方へ、メッセージをお願いします。
米澤様:受講者は皆、自分と同じような境遇で同じ悩みを抱えていました。「言いたいことがなかなかメンバーに言えないですよね」とお互い打ち明けながら、他社の受講者の方と進めていくことができました。そんな存在は良い刺激にもなりますし、受講を終えた後も連絡を取り合っています。
髙安様:私は、ポイントは3つだと考えています。
- 営業部門は、営業個人のスキルに頼りがちです。マネジャーがチームの目標を達成し続ける為には目標達成をリーディングし、その中で個々の力を発揮させる必要があります。つまり、チームで『数字を作って』いかなければなりません。
- その為に本気でマネジメントに取り組むと、メンバーと信頼関係を作ることが必須だと、マネジャーが気付きます。信頼関係を作るためにマネジャーは工夫するようになります。
- マネジャーの仕事は、これらをやり続ける存在だと実感します。一般的に営業で実績を出した方がマネジャーになるケースが多いと思います。プレイヤーとして優秀であるがゆえに「自分がやった方が早い」「なぜできないんだ」となってしまう。でも、そこをグッとこらえて、メンバーが担当業務を完遂し目標達成できるように導いていく。これがまさに「マネジメント」です。
担当コンサルタント
山北 陽平
「壁マネジメント」プログラムの開発者。
現場の中でつくり出した「壁マネジメント」のノウハウは、受講者の9割が設定した問題を解決するという圧倒的な成果を出しており、同社のプログラムでNO.1の人気を誇る。とことん結果にこだわった指導スタイルは、多くの経営者、マネジャーから絶大な評価を得ている。その指導は年間200日、1000時間を超え、指導対象ビジネスパーソンは年に3000人にのぼる。さまざまな組織の行動変革を実現するコンサルティングを展開。コンサルティング実施企業からのリピートオーダーが絶えない。