「部下の『自主性』を大切にしたい」と思っていませんか?
「部下の自主性を育てたいので、仕事のやり方には口出ししない」
「いろいろ部下の行動に介入すると、部下のやる気がなくなるのでは?」
「部下のモチベーションアップのため、自主性を大切にしている」
多くのマネジャーがチームの空気を悪くしたくない、部下と良い関係を築きたい、部下のやる気を大切にしたいと考え、部下に指示した後、部下との関わり方に慎重になります。自主的に正しい行動をとれる部下には、過度な介入は不要かもしれません。
もし、これが経験の浅い部下や自分のやり方を過信している部下の場合、どうなるか考えたことはありますか?
自主性を育てる、そこには大きな「誤解」があります
例えば、あなたの部下が自分の考えた方法で業務を行ったとします。そしてその方法が一般的な方法より時間のかかる、生産性の低いものだったとします。
「部下自身が考えた方法だし、まずはそのままやらせてみよう。ともしあなたが判断してしまったら…
そのうち効率が悪いことに自分で気づいて改善するだろう。
その方が部下の自主性も育つから……」
部下の自主性に任せる、その前に……
何事もはじめが肝心です。
新しいルールを設定したときに、多くのマネジャーは「数日でルールが定着しないのは、仕方がない。部下も子どもじゃないんだから、自主性に任せて少し様子を見てみよう」と考えます。
しかし、この部下の自主性を重んじた判断にこそ、大きな落とし穴があったのです。
指示しかしないマネジャーの下では、部下の行動は変わりません。
もしあなたが部下に対し、
「言われたら、やるのがあたりまえ」などの言葉で注意しているのであれば、要注意です。
「それぐらいできて当然」
「意識が低い」
「性格が悪い」
「だらしない」
「自主性がない」
「言われたことに対して、実行するのがあたりまえ」、そう思うことはもちろん間違ってはいません。
しかし、本来、部下ができる行動を性格や能力を理由にして、行動していない状態を放置していると、前のページでお伝えしたように、部下はあなたの指示を守らなくてもよい・行動しなくても問題ないと考えるようになり、動かないことが習慣になってしまいます。
指示だけして「部下の自主性に任せる」ことが、部下が動かなくなり、かえって部下に自主性がないと感じる1つの要因になることを忘れないようにしましょう。
部下の「自主性」に任せると部下を放置するは紙一重
部下に指示した後に様子見をしていては、部下は【動かなく】なる可能性があります。
部下に指示を守らせるには、部下の行動をチェックし、望ましくない行動を改善させることが第一歩です。誤った「自主性」の育て方をしていては、部下は自分の行動に問題意識をもたなくなり、行動しないことがあたりまえになってしまいます。